塚田温泉センター

中山間の風景が連なる県道12号から廃校となった塚田小学校方面へハンドルを切る。一呼吸ほどの時間で校舎奥に塚田温泉センターが見えてくる。午後1時からの営業だ。
向かって右手が男湯だ。脱衣所には木製の棚にプラ籠が並ぶ。コインロッカーも備わる。開け放たれた窓からは涼しい風が忍び込んでくる。




浴室に入ると左の壁に沿い浴槽が配置され右手に洗い場が並ぶ。正面右手には出入り可能な戸が設けられ、コスモスの花の間を通り抜けた風が肌に届く。
浴槽に満たされる湯は琥珀色を帯びている。湯口の湯を口に含むと鉱物味とほのかなヒノキ臭が五感を刺激する。個性を持つ湯だが、肌を刺 激するような悪戯はしない。絶えず注がれる湯は浴槽をあふれ、淵に刻まれた窪みから流れ去っていく。





先客も後客もいない一人っきりの時間が贅沢に過ぎていく。



湯上り、受付の方や地元の方々と談笑した。熊本地震で湯が出なくなり4か月ほど休んでいたそうだ。区の世話役や区民の努力で再開できたとのこと。温泉再開の背景には地元の方々の並みならぬ苦労があった。
帰り際、受付の方から採れたて野菜をいただいた。心が熱くなった。感謝。


塚田温泉センター
日田郡天瀬町塚田下原898-1
単純温泉
46℃
石鹸あり ドライヤーあり
200円
13:00~21:00
2016/9/17