深見老人憩いの家・深見温泉

県道50号は、稲穂が垂れ木々の葉が揺れる山里の風景の中を走ります。旧安心院町中心部から10分ほど車を走らせると、タンクに温泉マークを記した柿色の屋根が見えてきます。




15時、数人が長椅子に腰掛け、話をしています。その傍らでチケットを自販機で購入、受付のおじさんに渡します。右手手前が男湯、ちょうど先客と入れ替わりひとりっきりです。
正方形の脱衣棚に服をしまい、スリガラスの扉を開けます。湾曲を描く浴槽が窓際に配置され、右手に洗い場が並びます。浴槽に満たされる湯は極めて薄く緑色を帯びたように見えるものの、白い洗面器に汲み上げると薄い茶色であること気付きます。手にすくうと僅かに檜臭を感じ取ることができます。




浴槽内には手前に2つ、窓側に2つ、壁側に大きい2つの穴が設けられています。窓側の2つが湯を吸い、手前2つが湯を吐き出しています。ジャグジーほどの勢いはありません。壁側2つに動きはありません。勿論湯口から湯が注がれ、淵の溝から溢れ去っていきます。
印象を残すような感触は肌に留まらず、さらりとした湯ばなれを感じます。



開け放った窓からは、やはり風にそよぐ稲穂が見えます。誰にも邪魔されない、静かな時間が過ぎて行きます。


深見老人憩いの家(深見温泉)
宇佐市安心院町大字矢畑131-1
0978(44)4718
単純温泉
41.0℃
シャンプー類なし ドライヤーあり
300円
4月~9月13:00~21:00
10月~3月13:00~20:00
休:木曜日
2013/9/14