塚野鉱泉

目に付いた駐車場に車を止め旅館の前をてくてく歩いていくと、湯上りと思われる方々とすれ違いました。坂道を登るとその先に赤い暖簾と青い暖簾、こちらが目的の浴場のようです。料金は白い箱に入れる仕組みです。




脱衣所には木製の棚、家庭用の洗面台が備えられています。旅館の下駄が目に留まります。どうやら宿泊客もこちらの湯を利用されているようです。

扉を開けるとこの浴舎が木造ではなく、鉄筋コンクリート造りだということが分かります。窓際には柱の部分と思われる四角いでっぱりがあります。浴室内は壁にも浴槽にも同じ乳白色のタイルが貼られ、至ってシンプルな造りです。




洗い場は混合栓で、シャワーが備えられています。浴槽は淵に木があしらわれ、極薄い緑色の湯が満たされています。底は見えません。細かい粒子が無数に舞っています。唇に触れた湯はしょっぱく、ナトリウムが多く含まれているように感じます。
洗い場のタイルのネジには赤い粒子が留まっていて、鉄分も多く含まれているようです。鉱泉の沸かし湯はコックをひねると自由に注ぐことができます。

肩を寄せるように建つ旅館はひっそりとした湯治場の風情を残し、湯船に身を沈めていると過ぎる時間を忘れれそうになります。



浴舎入口を通り過ぎ左手を見やると、鉱泉が沸きでいる場所が目に止まります。塚野鉱泉と記された表示が掲げられた建物は、改まった意識を呼び起こします。中に入ると右手奥に柄杓が用意され、自由に飲むことができます。絡むような違和感もなく素直な味わいが喉を通り過ぎていきます。


塚野鉱泉
大分市大字廻栖野380-2(湧出地)
含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
15.7℃
シャンプー類なし
内湯
200円(入口に木製の箱あり)
5:00~12:00/13:00~20:00
2012/11/4